イントロダクション

わたしが“わたし”を肯定するために

「わたしと同じ障がいを持つ人はどこにいるの？」──
『わたしの物語』は、極めて稀な障がいのあるイギリス人女性エラ・グレンディニングが、障がい者への差別が未だ残るこの社会で、自分を更に愛するには何が必要かを知るために、同じ障がいのある人をSNSで探し、自分らしい生き方を発見していく6年間に及ぶ旅路を、自ら記録したセルフ・ドキュメンタリー映画である。

撮影中の予期せぬ妊娠、息子の出産、子育てを共に経験し、深く信頼し合うエラとスコット。エラを育てたシングルマザーの母の強さと愛情。障がいのあるプリシラやリカルド、チャーリー、そして自閉症のナオミたちとの交流を通して、エラは新しい世界と自分を知ってゆくのだった…。今を生きるすべての“わたし”にエールを贈る。