クリス・マルケルは
世界のあらゆる場所にいるのにどこにも見つからず
この世を去ってなお 不死を約束されている
―岡田秀則(映画研究者)
北京の日曜日|シベリアからの手紙|
ある闘いの記述|不思議なクミコ|
A.K. ドキュメント黒澤明|
サン・ソレイユ|
イヴ・モンタン~ある長距離歌手の孤独 (日本初公開)
北京の日曜日 Dimanche à Pékin | |
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1956年/フランス/カラー/DCP/20分 マルケルは夢だった中国行きを、1955年、中国友好使節団旅行への参加で実現。その際に撮影した映像をもとに、ある日曜日のスケッチとして革命後の北京の人々や風景を鮮やかに描いた初期短編。本作ではマルケルは撮影も自分で担っている。 |
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シベリアからの手紙 Lettre de Sibérie | |
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1958年/フランス/モノクロ/DCP/61分 開発途上のシベリアの街と風景や人々の様子を、アニメーションやアーカイブ映像を挿入しつつ書簡形式のナレーションで描く。“シネ・エッセイ”の作家として注目された1作。 |
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ある闘いの記述 Description d'un combat | |
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1960年/イスラエル=フランス/カラー/DCP/57分 1948年の建国以来12年目を迎えたイスラエルの複雑な現実を描く。1967年の第三次中東戦争勃発後、マルケル自身が本作の上映を禁じた時期があった。 |
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不思議なクミコ Le mystère Koumiko | |
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1965年/フランス/カラー/35㎜/47分 1964年、東京オリンピックに湧く高度成長真っ只中の日本を、フランス語を学ぶ満州生まれのひとりの日本人女性を通して描いた映画エッセイ。 |
![]() © La Sofra |
イヴ・モンタン~ある長距離歌手の孤独 La solitude du chanteur de fond | |
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1974年/フランス/カラー/DCP/63分 チリ難民支援コンサートのためにリハーサル中のイヴ・モンタン。世界的な歌手にして俳優でもある彼へのインタビューや、出演映画の断片映像などにより、その意外なポートレイトが… |
![]() © 1974 Le Seuil audiovisuel / 1984 Yves Montand |
サン・ソレイユ Sans soleil | |
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1982年/フランス/カラー/DCP/104分 世界を旅するカメラマンから届いた手紙を朗読する女性。日本とアフリカ、記憶や旅をテーマに、フィクションやドキュメンタリー、哲学的考察が混在したマルケルの代表作の1本。 |
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A.K. ドキュメント黒澤明 A.K. | |
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1985年/フランス=日本/カラー/35㎜/74分 黒澤明監督による日仏合作映画『乱』の撮影過程を記録したドキュメンタリー。数多くのスタッフやエキストラが行き交う大掛かりな撮影現場。彼らに混じって武満徹の姿も。臨場感のある画面はクリス・マルケルの別の貌である。 |
![]() © 2003パリ・グリニッチ・フィルム社/ |
レベル5 Level Five | |
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1997年/フランス/カラー/DCP/110分 ローラは亡くなった恋人の仕事を引き継ぎ沖縄戦についてのコンピュータ・ゲームを完成させようとする。仮想空間の中に現実と虚構が交錯するマルケル晩年の問題作。 |
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Chris Marker
(1921年~2012年) パリ生まれの映画作家/プロデューサー/写真家など。 本名はクリスチャン=フランソワ・ブッシュ=ヴィルヌーヴ。第二次世界大戦中は、ナチスに対するレジスタンスに参加。『夜と霧』(1955年)でアラン・レネの助監督を務める。 記憶と記録、歴史と個人史、戦争、虚構と現実など、永遠に消えることのないテーマで数多くの作品を発表。フィルム、写真、本、ビデオ、ゲームなど、多様なメディアを自在に使って完成させる作品は優雅な映像詩のようであり、映画史上、他に例のない作風を確立させ、『12モンキーズ』(1995年製作・日本公開は1996年/ゴールデングローブ賞最優秀助演男優賞(ブラッド・ピット)他)のテリー・ギリアム監督を始め、影響を受けたクリエイターは世界中に数多い。監督以外にも、『ベトナムから遠く離れて』(1967年製作・日本公開は1968年/アラン・レネ ウイリアム・クライン アニエス/ヴァルダ クロード・ルルーシュ ヨリス・イヴェンス ジャン=リュック・ゴダール共同監督)のプロデューサーなど、多彩な作品の誕生に寄与した。また数回来日し 日本についての作品もつくっている。
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