第49回ロッテルダム国際映画祭長編部門グランプリ、第24回釜山国際映画祭Korean Cinema Today部門NETPAC賞/KTH賞/DGK賞/市民賞、第45回ソウル独立映画祭New
          Choice賞

夏時間 - Moving On -

ほんとうは夏休みなんて好きじゃない

『はちどり』に続き10代の少女の視点から家族と友人との関係を描いた珠玉の作品が韓国から登場した

監督・脚本/ユン・ダンビ

出演/チェ・ジョンウン、ヤン・フンジュ

2021年2月27日(土)渋谷ユーロスペースにてロードショー!!

原題:남매의 여름밤 英題:Moving On 韓国/2019年/105分/DCP

協力:あいち国際女性映画祭 (映画祭2020上映タイトル「ハラボジの家」)

配給:パンドラ

Filmarks【初日満足度ランキング第2位】

解説 Introduction

『はちどり』に続く傑作の誕生!!
緑色の庭、夏の西陽、
風に揺れる蚊帳、懐かしいミシン、
真っ赤なスイカ、午睡の夢

注目の新人女性監督ユン・ダンビが描く、
懐かしく繊細な夏の物語!!

誰もが記憶に残っている、夏休みの思い出。
その懐かしくも記憶に刻まれる日々を、
ひとりの少女の視点から描く。
それは、ただ楽しいだけのものではなかった。

監督は1990年生まれのユン・ダンビ。
第24回釜山国際映画祭で4冠に輝いたのを筆頭に、ロッテルダム国際映画祭など数多くの映画祭で、デビュー作である本作の繊細さと確かな演出力が絶賛された。
『はちどり』のキム・ボラや『わたしたち』のユン・ガウン、『82年生まれ、キム・ジヨン』のキム・ドヨンに並ぶ、新たな才能が韓国から登場した。

本作がデビューとなる姉オクジュ役のチェ・ジョンウンは、監督が見つけた一枚の写真から大抜擢された。弟ドンジュ役のパク・スンジュンは人気ドラマ「愛の不時着」にも出演している天才子役。この姉弟と家族との自然なアンサンブルが観客の感情を刺激することだろう。

物語 Story

ある夏の夕暮れ
わたしは少し大きな家に引っ越した

夏休みのある日、10代の少女オクジュは、父が事業に失敗したため、弟ドンジュと父と共に広い庭のある祖父の家に引っ越したが、そこに母親の姿はなかった。弟は新しい環境にすぐ馴染むんだのだが、オクジュは居心地の悪さを感じている。そこに離婚寸前の叔母まで住みつき始め、一つ屋根の下に三世代が集まり、オクジュにとって、自分と家族の在り方を考えざるを得ない、夏の日々が始まった。オクジュが家と祖父に親しみを覚えるようになった頃、祖父が病気になってしまう…。

キャスト Cast

  • 姉オクジュ チェ・ジョンウン

    2001年生まれ。短編“Following the Shiny Object(光る物体を追う)”(2018年)の主人公ユラ役でデビュー。その後、いくつかの短編に出演。“Following the Shiny Object(光る物体を追う)”の1枚のスチール写真を見たユン・ダンビ監督の目にとまり、本作の主人公に抜擢された。長編デビューとなる本作の新人とは思えない繊細で密度が高い演技が絶賛された。

  • 弟ドンジュ パク・スンジュン

    2009年生まれ。ソン・イェジン、ヒョンビン主演の人気ドラマ「愛の不時着」(2019年)、ユ・ヘジン、リュ・ジュンヨル主演の“The Battle: Road to Victory(鳳梧洞の戦い)”(2019年)に出演、登場シーンは短いものの強烈な印象を残した。本作の自然な演技は観客を驚かせ、天才子役の登場を印象づけた。

  • 父ビョンギ ヤン・フンジュ

    1972年生まれ。映画と芝居の両方で活躍しているベテラン俳優。出演作にファッションキング』(2014年)“End of Winter(鉄原紀行)”(2014年)、“Autumn, Autumn(春川、春川)”(2016年)、“Another Way(他に道はある)”(2015年)、“Winter’s Night(冬の夜に)”(2018年)など。本作ではチェ・ジョンウン、パク・スンジュンと実の親子のような息の合った演技を見せた。

  • 叔母ミジョン パク・ヒョニョン

    1975年生まれ。『カンウォンドの恋』(1998年・ホン・サンス監督)、『私と猫のサランヘヨ』(2019年)、“Jane(夢のジェーン)”(2016年)、“Ash Flower(灰の花)”(2016年)、“Duck Town(寿城池)”(2017年)、“Cinema with you(君と劇場で)”(2017年)など、近年注目を集めたインディーズ映画に立て続けに出演し唯一無二の存在感を放つ。本作では離婚を決意して家を飛び出した叔母ミジョンを演じその演技力で作品にリアリティーを与えている。

  • 祖父ヨンムク キム・サンドン

    1945年生まれ。本作で老齢ながら遅咲きのスクリーンデビューを飾る。自らの老いと、生活の変化に戸惑いながらも、ふたりの孫たちを温かく見守るおじいさんの姿が目に焼き付く。

監督Director

  • YOON,Dan-bi ユン・ダンビ

    1990年生まれ。短編“Fireworks”が2015年の第16回大邱独立短編映画祭、2017年の第15回韓国青少年映画祭で上映され注目される。2017年には檀国大学大学院に入学、その長編制作プロジェクトとして本作は制作された。本作はユン監督の初長編作品で、2019年に第24回釜山国際映画祭で上映され、デビュー作ながらNETPAC賞など4冠を獲得する快挙を成し遂げた。

プロダクション・ノート

『夏時間』のもう1つの顔とも言える2階建て様式の家屋は、ユン・ダンビ監督が2か月以上もかけて見つけ出した宝のような家だ。仁川に古い家屋が立ち並ぶ地域があると聞いた制作サイドは、仁川映像委員会の協力を得てこの家を見つけた。「家を見た時、ここで撮影しなければと思った」と語るユン・ダンビ監督は、何度も足を運んで家主を説得し撮影の許しを得た。家主の老夫婦は実際にこの家で子どもを育て立派に独立させた。家族の歳月を感じさせるだけでなく生活感にあふれるこの家のたたずまいがスクリーンに溶け込んでいる。

ユン・ダンビ監督は東京藝術大学大学院で1週間の特別講義を受けた経験があるのだが、その時、是枝裕和監督の『誰も知らない』、『歩いても 歩いても』で美術監督を務めた磯見俊裕と出会った。「是枝監督の作品でどのように作業したか」という質問に対して磯見氏は、「いくらセットを作り込んでも実在する空間の意外性やディテールは真似できない」と答えたと言う。ユン・ダンビ監督は本作でその言葉の意味を痛感したそうだ。

映画で使う小道具のほとんどは家にある物を活用し、家に合わせてシナリオを書き換えた。ユン・ダンビ監督によると、最初のシナリオでは庭の家庭菜園は手入れがなされていない状態だったそうだが、映画のために手を加えるよりも青々とした菜園を活かすことにしたとのことである。家庭菜園で作るミニトマトやトウガラシ、葡萄を収穫するシーンを追加することで季節感が増した。夏の日差しの下で古い2階建て家屋を背景に、麺料理コングクスやスイカなど夏の食べ物をいただき、蚊帳やセミの鳴き声など夏の定番と言える要素が夏の雰囲気を感じさせ、観客は長い余韻に浸るだろう。

海外評・コメント Revies & Comments

  • 韓国に注目すべき女性監督がまた現れた
    キム・ボラの『はちどり』のようにユン・ダンビは新たな息吹をもたらした!

    Seongyong's Private Place

  • 驚くべきデビュー作!
    エドワード・ヤン、小津安二郎、ホウ・シャオシェンを彷彿とさせる、
    恐るべき才能

    Straight.com

  • 誰もがこの映画を心から好きになるに違いない

    ダルシー・パケット
    (映画評論家/『パラサイト 半地下の家族』英語字幕翻訳者)

  • 関係と感情の核心にまっすぐに迫る思慮深い家族の肖像

    ロッテルダム国際映画祭

  • 長い間記憶に残る一編の秀作

    ムジュ山里映画祭

  • 娘は突然、ひたすらに泣き続ける。
    娘は母が出て行ったことに納得したのだろう。
    オクジュ役のチェ・ジョンウンと監督の演出が素晴らしい。

    北村道子(スタイリスト)

  • 蚊帳のとりあい、唐辛子畑、古いミシン。
    慣れないおじいちゃんの家で寝る一晩一晩。
    後で必ずひりひりしてくる、二度とない時間のしぶき。
    家族でいることの切なさと夏の青さがスクリーンいっぱいに降り注いでいる。

    斎藤真理子(韓国語翻訳者)

  • 胸に入り混じった感情にひとつずつ名前をつけることができれば楽だろう。別々にほどけない想いは雑然とした不安としてオクジュを当惑させる。
    夏休み、部屋に降る午後の光をたどれば時間がたゆたう。ぎこちなく子どもと大人の線をまたぎながら、揺らめく時間でもある。

    小田香(映画作家/『セノーテ』『鉱 ARAGANE』)

  • この映画を観たたくさんの人が若き日の自分の夏の夜を思い出して記録したくなると確信しています。
    他人に記録することへの熱望を抱かせてくれる貴重な映画でした。

    イ・ラン(アーティスト)

上映情報Theaters

都道府県 劇場 電話番号 公開日
東京都 COME BACK映画祭
会場:ミクサライブ東京(池袋) B2F「Hall Mixa」)
2021年
12月9日(木)
13:00~
東京都 ユーロスペース 03-3461-0211 上映終了
東京都 下高井戸シネマ 03-3328-1008 上映終了
東京都 新文芸坐 03-3971-9422 上映終了
東京都 新文芸坐 03-3971-9422 上映終了
東京都 ギンレイホール 03-3269-3852 上映終了
東京都 キネカ大森 03-3762-6000 上映終了
神奈川県 横浜シネマリン 045-341-3180 上映終了
神奈川県 川崎市
アートセンター
044-955-0107 上映終了
神奈川県 あつぎのえいがかん
 kiki
046-240-0600 上映終了
埼玉県 深谷シネマ 048-551-4592 上映終了
埼玉県 川越スカラ座 049-223-0733 上映終了
北海道 シアターキノ 011-231-9355 上映終了
北海道 シネマアイリス 013-831-6761 上映終了
青森県 シネマディクト 017-722-8538 上映終了
青森県 フォーラム八戸 0178-71-1555 上映終了
宮城県 フォーラム仙台 022-728-7866 上映終了
山形県 フォーラム山形 023-632-3220 上映終了
山形県 フォーラム東根 0237-43-8061 上映終了
山形県 鶴岡まちなかキネマ 0235-64-1441 上映終了
福島県 フォーラム福島 024-533-1515 上映終了
福島県 kuramoto 080-2109-6385 上映終了
栃木県 宇都宮ヒカリ座 028-633-4445 上映終了
栃木県 小山シネマロブレ 050-3196-9000 上映終了
群馬県 シネマテークたかさき 027-325-1744 上映終了
静岡県 シネマイーラ 053-489-5539 上映終了
静岡県 静岡シネ・ギャラリー 054-250-0283 上映終了
愛知県 シネマスコーレ 052-452-6036 上映終了
愛知県 名演小劇場 052-931-1701 上映終了
愛知県 刈谷日劇 0566-23-0624 上映終了
岐阜県 CINEX 058-264-7151 上映終了
三重県 進富座 0596-28-2875 上映終了
長野県 上田映劇 0268-22-0269 上映終了
長野県 長野ロキシー 026-232-3016 上映終了
長野県 塩尻・東座 0263-52-0515 上映終了
新潟県 シネウインド 025-243-5530 上映終了
富山県 ほとり座 076-422-0821 上映終了
富山県 DaFriends×Hotoriza 0766-24-9229 上映終了
石川県 シネモンド 076-220-5007 上映終了
京都府 アップリンク京都 075-600-7890 上映終了
京都府 出町座 075-203-9862 上映終了
京都府 シネ・グルージャ 0773-60-5566 上映終了
大阪府 テアトル梅田 06-6359-1080 上映終了
大阪府 シネヌーヴォ 06-6582-1416 上映終了
兵庫県 神戸・元町映画館 078-366-2636 上映終了
兵庫県 豊岡劇場 0796-34-6256 上映終了
兵庫県 塚口サンサン劇場 06-6429-3581 上映終了
岡山県 シネマ・クレール 086-231-0019 上映終了
広島県 サロンシネマ 082-546-1158 上映終了
広島県 シネマ尾道 0848-24-8222 上映終了
山口県 萩ツインシネマ 0838-21-5510 上映終了
愛媛県 シネマルナティック 089-933-9240 上映終了
福岡県 小倉昭和館 093-551-4938 上映終了
大分県 シネマ5 097-536-4512 上映終了
大分県 別府ブルーバード劇場 0977-21-1192 上映終了
大分県 日田シネマテーク
・リベルテ
0973-24-7534 上映終了
佐賀県 シアターエンヤ 0955-53-8064 上映終了
宮崎県 宮崎キネマ館 0985-28-1162 上映終了
熊本県 Denkikan 096-352-2121 上映終了
熊本県 本渡第一映劇 0969-23-1417 上映終了
鹿児島県 ガーデンズシネマ 099-222-8746 上映終了
沖縄県 桜坂劇場 098-860-9555 上映終了

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