2018年第42回モントリオール世界映画祭ワールド・ドキュメンタリー部門、2018年第6回ディアスポラ映画祭、2018年第9回釜山平和映画祭、山形国際ドキュメンタリー映画祭2019、2019年ソウル国際女性映画祭 他多数正式上映

「さらばわが愛、北朝鮮」

1950年代にモスクワ国立映画大学に留学した北朝鮮の若者8人が亡命したその望郷の思いとは……

新宿K’s cinemaにて2020年6月27日(土)より特別限定ロードショー!!

監督:キム・ソヨン
撮影:カン・ジンソク シン・イムホ/編集:キム・ソヨン カン・ジンソク
録音:チョン・ジヨン 美術:リー・エイミー/製作:カン・ジンソク

2017年製作/韓国/カラー/デジタル/80分 ©822Films+Cinema Dal
日本版字幕:小川昌代

2021年4月23日(金)よりインターネット配信スタート!

【配信先】
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解説

1952年に北朝鮮から8人の若者がモスクワ国立映画大学に留学したが、北朝鮮に帰らず、当時の金日成首相を批判して、1958年にソ連に亡命し、広大なユーラシア大陸に移り住んだ。『さらばわが愛、北朝鮮』は、それから50年以上にわたり、カザフスタンを始めとするユーラシアの各地で、ある者は映画監督として、ある者は作家として活動した彼らのその後を追ったドキュメンタリー映画である。撮影監督キム・ジョンフンと映画監督のチェ・クッキン、作家になったハン・デヨンのロシア人妻などへのインタビューを通して描かれる真実とは…

監督のことば

半世紀以上前に北朝鮮からソ連へ亡命し、中央アジアへと移動した8名の足跡を辿るのは困難であった。彼らは北朝鮮出身の若きエリートで、1950年代にモスクワ映画大学で学び、金日成を批判しソビエト連邦へ亡命した後、仕事と住まいを探すのにたいへんに苦労していた。幾人かは映画監督、撮影監督、作家として名を残したが、他の人たちは無名に終わるか、貧しいままで亡くなっていった。彼らは朝鮮戦争、南北朝鮮分断、金日成、そしてスターリンの目撃者でもある。本作は、権力に抵抗した若者たちを考察することになり、同時に、彼らを蘇らせ、彼らに語らせる手段ともなるに違いない。製作に着手した際には、すでに7名が亡くなっていた。現在生存者はただひとりである。最後のサバイバーだ。本作はユーラシア大陸をめぐる大きな敗北と小さな勝利についての壮大な物語であり、南北朝鮮分断と再統合についての考察を迫ることだろう。

8真プロフィール

※「8真」=亡命した人は、このように自分たちを呼称していた

監督プロフィール

キム・ソヨン Kim So-young

1961年生まれ。韓国芸術綜合大学の教授でもあり、フェミニストの観点による映画評論も執筆。韓国映画アカデミー第1期卒業生。卒業製作"Little Timemaker”(短編/1985年)が1997年のNYCアジアン・アメリカン国際映画祭にて、短編“Blue Requiem”(1985)がNYCアジアン・アメリカン国際映画祭にてそれぞれ上映。

フェミニスト視点での映画製作を目的とする女性団体 “Parituh”の設立にビョン・ヨンジュ監督(※)と共に中心的役割を担い、1989年の設立を先導し、フェミニズム映画論の普及、フェミニスト視点の映画製作を実践している。初の女性のみによる作品"Even Little Grass Has Its Own Name”(1990)では監督を務めている。

※ビョン・ヨンジュ:韓国における女性映画監督の草分け。ドキュメンタリーシリーズ『ナヌムの家』(1995年/山形国際ドキュメンタリー映画祭1995小川紳介賞受賞)『ナヌムの家Ⅱ』(1997年)『息づかい』(1999年)日本でも公開(パンドラ配給)され話題となった

<女性三部作>(“Women's History Trilogy”)(『居留−南の女』(2001)『ファンフォルギョン』(2003年)『元々、女性は太陽だった:新女性のFirst Song』(2004年))はソウル国際女性映画祭、山形国際ドキュメンタリー映画祭をはじめとする世界の映画祭で上映されている(山形国際ドキュメンタリー映画祭で当時は監督名「ソハ」としてクレジット)。なお『さらばわが愛、北朝鮮』は朝鮮人集団移住者を取材した<亡命三部作>(“Exile Trilogy”)の完結編である。その他の作品に"I, Text”(1986)、『ビューファインダー』(2009)、 “SFdrome”(2018)、“Heart of Snow: afterlife”(2018)等。国内外で多数の上映実績がある。

主なフィルモグラフィー
2018年 “Heart of Snow: afterlife” (16分/ドキュメンタリー) 
“SFdrome” (25分/ドキュメンタリー) 
2014年 “Kim Alex’s Place: Ansan-Tashkent”(60分/ドキュメンタリー)
“Heart of Snow, Heart of Blood” (98分/ドキュメンタリー)
2009年 『ビューファインダー』“Viewfinder” (95分/劇映画) 
2003年 “Twentidentity” (韓国/162分/劇映画) 
<女性三部作> “Women's History Trilogy”
2000年 『居留−南の女』“Koryu: Southern Women, South Korea” (75分/ドキュメンタリー)
2004年 『元々、女性は太陽だった:新女性のFirst Song』
”New Women: Her First Song”(63分)
1990年 “Even Little Grass Has Its Own Name” (38分/劇映画)
1985年 “Blue Requiem”(13分/劇映画)
1984年 “Fantasy in Winter”(11分/劇映画)

コメント

斉藤綾子
「ふぇみん」2020年4月15日発行より抜粋)
公開当時に唯一の生存者キム・ジョンフンは、青年期の思い出や亡命後をまるで昨日のことのように熱弁する。
(中略)
インタビュー当時87歳のチェ・グギンは映画監督としてソ連とカザフスタンで成功、受勲もするが、家族を金日成に殺され、「今まで朝鮮民族のために何一つしてない」と寂しげに呟く。翌年逝去した彼が時に見せた鬼気迫る姿は忘れがたい。
(中略)
数々の悲劇に巻き込まれてきた朝鮮半島の歴史を知ることは、アジアに生きる私たちの歴史を知ること。そう思う。

劇場情報

東京都 K's Cinema 上映終了 03-3352-2471
埼玉 深谷シネマ 上映終了 048-551-4592
神奈川 横浜シネマリン 上映終了 045-341-3180
北海道 シアターキノ 上映終了 011-231-9355
愛知県 あいち国際女性映画祭 上映終了 052-962-2520
愛知県 名古屋 シネマスコーレ 上映終了 052-452-6036
京都府 京都みなみ会館 上映終了 075-661-3993
大阪府 シネ・ヌーヴォ 上映終了 06-6582-1416
兵庫県 豊岡劇場 上映終了 TEL: 0796-34-6256
兵庫県 元町映画館 上映終了 078-366-2636
岡山県 シネマ・クレール 2021年
7月30日(金)~
8月5日(木)
086-231-0019
福岡県 KBCシネマ 上映終了 TEL: 092-751-4268
大分県 シネマ5 上映終了 097-536-4512
沖縄県 桜坂劇場 上映終了 098-860-9555

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