地の群れ

chinomure
1970年/日本/モノクロ/127分 ¥70,000(税別)
監督:熊井啓 
脚本:井上光晴 熊井啓 
製作:大塚和 高島幸夫 
音楽:松村禎三 
原作:井上光晴 
出演:鈴木瑞穂 松本典子 寺田誠 紀比呂子 奈良岡朋子 佐野浅夫 北林谷栄 宇野重吉 
在日朝鮮人の少女を妊娠させた宇南は、少女の姉宰子にその責任を追及されたが否定し、炭坑を去った。時が経ち、医者となった宇南は佐世保で診療所を開いていた。その患者の一人に明らかに原爆病と思われる少女がいたが、少女の母は、差別を恐れて頑なに自分は被爆していないと言う。一方、宇南も爆心地で父を探し回ったため、自分も被爆者ではないかという不安を抱いていた。ある日、被差別部落に住む徳子が診察所に「強姦の証明書を書いてほしい」とやってきた。それがきっかけとなり、宇南自らの黒い過去が脳裏に甦る。さらには二つの集落の間で長年くすぶっていた怨念と憎悪が炎上し、思わぬ悲劇へと向かっていく…。軍港がある佐世保を舞台に、被爆者、被差別集落、在日朝鮮人、米軍基地といった切実な問題を通して、「差別の重層性」を鋭くえぐる重厚な傑作。